有機レドックス分子を利用した熱化学電池の論文がChemical Scienceに掲載されました

Exploring the local solvation structure of redox molecules in a mixed solvent for increasing the Seebeck coefficient of thermocells,
H. Inoue, H. Zhou, H. Ando, S. Nakagawa, T. Yamada
Chem. Sci., Advance Article, 2023. https://doi.org/10.1039/D3SC04955H

有機レドックス分子,クロラニルのジアニオン体がエタノールと特異的に水素結合を形成することを利用して,レドックス反応に伴うエントロピー変化を増大させ,熱化学電池のゼーベック係数を上昇させるという新たな手法を生み出しまた。山形大学理学部安東研究室との共同研究です。

2023年12月12日追記:本論文が2023 Chemical Science HOT Article に選出されました!

バナジウムを用いたPCET型熱化学電池の論文がSustainable Energy & Fuel誌に採択されました

Aqueous Vanadium Complex for the Superior Electrolyte of a Thermo-Electrochemical Cell
Sustainable Energy & Fuels, 2024, DOI: 10.1039/D3SE00774J
T. Yamada, T. Kobayashi, Y. Wakayama, F. Matoba, K. Yatsuzuka, N. Kimizuka, H. Zhou

バナジウムアクア錯体のプロトン共役電子移動反応を利用することで,水系電解液において−3.2 mV K−1水-有機混合電解液中において−3.8 mV K−1という高いゼーベック係数を達成しました。

柔粘性イオン結晶の論文がThe Physical Chemistry Lettersに採択されました

論文はこちら

ピリジニウムカチオンとテトラシアノボレートを組み合わせることで,極低温において分子が等方性回転を開始する柔粘性イオン結晶を合成することに成功しました。融点が200 °C以上であるため,幅広い温度域において柔粘性相を示す珍しい材料です。イオン伝導性を示すことから固体電解質への応用も期待されます。

周先生、的場さんらの論文がAdvanced Materialsに採択されました。

Direct Conversion of Phase-Transition Entropy into Electrochemical Thermopower and the Peltier Effect, Hongyao Zhou, Fumitoshi Matoba, Ryohei Matsuno, Yusuke Wakayama, Teppei Yamada, Adv. Mater., Accepted Articles, 2303341, 2023. https://doi.org/10.1002/adma.202303341

東大理学部からのプレスリリースはこちら

高分子が溶解状態(コイル)から凝集状態(グロビュール)へ相転移する際に発生するエントロピー変化を熱電変換へ利用した初めての例です。

IPC2023@北海道に参加しました

周,松野,杢が2023年7月18日〜21日にかけて北海道札幌コンベンションセンターにて開催された高分子の国際会議,International Polymer Conference(https://main.spsj.or.jp/ipc/2023/)に参加し,それぞれ英語で口頭発表(2件)とポスター発表(1件)を行いました。夏の北海道はとても涼しく,美味しいものも沢山食べました。